【ハンドメイドの基礎知識】 Tピンの使い方

このページではTピンの使い方や種類、Tピンを使った作品などを紹介しています。

1. Tピンとは

Tピンはビーズアクセサリー作りの基本の材料の一つです。ビーズを通し、端をヤットコなどで丸めて接続できる状態にし、アクセサリーの先端部分などに用います。

形はアルファベットの“T”に似ていて、細い釘のようにも見えます。英語では“Head Pins”、中国語では“T針”と呼ばれています。

「ビーズアクセサリーの材料は多すぎて、何から買えばいいのかわからない」
「今後も続けられるかわからないから、最低限の材料から始めたい」

そんな初心者の方には、まずTピンを購入することをおすすめしたいです。

▲実はこの写真のシンプルなピアス、
ビーズ+ピアス金具+Tピン の3材料だけで作られています!(ピアス金具でなく、イヤリング金具を使用することもできます)

さらに、このピアス作りの過程では、ビーズアクセサリー作りの基礎中の基礎テクニックを習得できます。詳しくはこの後の「3.Tピンの使い方」をご覧くださいね。

2. Tピンの種類

Tピンにはさまざまな色、材質、長さなどがあります。メーカーによって、若干太さや硬さが違うこともあります。

色はゴールド、シルバー、金古美、白銀、銅など。材質はメッキが主流ですが、ゴールドフィルド、ステンレス製、チタン製のものもあります。経年劣化防止や金属アレルギー対策のためか、ひと昔前と比べると種類が豊富になりました。

基本的に、ひとつのアクセサリーに使う金属の色や材質は揃えた方が見栄えが良くなります。一緒に使用するピン類やカン類などと同じ色のTピンを選びましょう。同じビーズを使う場合でも、金属の色で大きく印象が変わりますよ。

初めてTピンを購入される方には、使いやすい2～3㎝くらいのものがおすすめです。

3. Tピンはこんなふうに使います

基本的には9ピンと同じです。ピンの端を丸めて輪を作り、アクセサリーの一部へと加工します。

ピンを丸めるために必要な工具はこちら。上から時計回りにニッパー、平ヤットコ、丸ヤットコです。

Tピンを加工していきましょう。

※工程の写真に写っている手は右利きです

1.

まずはTピンにビーズを通します。

2.

ビーズの根元ぎりぎりのところで、直角(90度以上)にピンを曲げます。平ヤットコを使うと曲げやすいです。

グラスビーズやスワロフスキーエレメントなどは、ピンを曲げるときに欠けやすいので注意が必要です。

【POINT!】
ほんの少しだけ根本から余白を作って曲げるか、根本だけ平ヤットコで軽く曲げてから手を使って直角にすると良いです。

3.

ピンを曲げて輪を作る分の長さ(約7-8mm)を残して、不要なピンをニッパーでカットします。

4.

カットしたピンの末端ぎりぎりのところを丸ヤットコではさみます。※写真は上から見た様子です

このときの手の向きに注目です。逆手(手の甲が下、掌が上)でニッパーを握っています。

5.

手首を左方向(ビーズの方向)に返すようにしてピンを丸めて、輪を作ります。

このとき、ピンを丸ヤットコに沿わせるように、きもち引っ張りながら丸めていくとやりやすいです。

▼丸ヤットコの先側から見るとこんな様子です。

丸めているピンとビーズとの根元に隙間ができないように、きっちり最後まで丸めましょう。

【POINT2!】

ピンを丸めていると、どうしてもピンが曲がってしまいます。平ヤットコを使ってまっすぐに整えると、綺麗に仕上がります。

6.

ひとつ加工が完了しました!

これを他の材料に繋げてアクセサリーにしていくわけですが、繋げる際にひとつだけ注意点があります。

【POINT3!】

作った輪の部分をヤットコで開くとき、左右ではなく上下に開きましょう。

切れ目を大きくするために左右に広げてしまうと、輪の形が崩れ、ピンが金属疲労で折れやすくなってしまいます。

3. Tピンはこんなときにも便利

Tピンはアクセサリーの先端部分に用いることが多いのですが、材料の組み合わせ方によって様々なデザインに変化します。いくつか例を挙げてみます。

・Tピンで加工したビーズ+チャーム・透かしパーツ

簡単なのに素敵。組み合わせは無限大です。

・長めのTピン+数種類のビーズ

三色団子になりました。

・Tピン+ビーズ+花座

ちょっと豪華な雰囲気に。

▼花座とはこんなアイテムです。

Tピンに花座を組み合わせる方法は、ビーズの穴が大きくてTピンをすり抜けてしまうような場合にも有効です。

・Tピンで加工したビーズ複数+チェーン

揺れる花束のようなデザイン。

工夫次第でまだまだ色々な使い方ができそうですね!

5. Tピンの代用品は?

・丸ピン

先端がボール状になっています。ビーズ1個分の存在感を足したいときに。

・変わり種のTピン

星型などのTピンがあります。こんなアイテムを使ってみても楽しいですね!

左:星形のTピン 中央:丸ピン 右:一般的なTピン