【ハンドメイドの基礎知識】グルーガンの使い方や種類、グルーガンを使った作品

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このページではグルーガンの使い方や種類、グルーガンを使った作品などをご紹介しています。

1.グルーガンとは

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グルーガンはグルー(スティック状の合成樹脂)をヒーターで溶かして接着する器具です。
樹脂が冷めて固まることで接着できます。

最近のDIY・手芸ブームで、家庭用に小型でシンプルな構造のものが簡単に手に入るようになりました。
価格帯は数百円から業務用の数万円するものまで様々です。

今回は主に家庭用・手芸用についてお話させていただきます。

●グルーガンの接着力●

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グルーガンで木材・紙・布・皮・プラスティック・金属・ガラスなど様々な物を接着することができます。作業のための仮止めなどにも重宝します。

接着力はボンドよりは弱いようです。特に接着する面がつるつるしている(例えば金属面)もの同士の場合、接着したものの重みや強い力を加えたことで簡単に取れてしまうこともあります。しかし、ボンドは固まるのに時間がかかり、瞬間接着剤は高価です。

グルーガンでは接着に失敗したときに、はがしてまたやり直すこともできます。しかも接着面積が狭い場合はボンドより良くつき、ボンドのように布にしみこむこともありません。

用途は手芸用にとどまらず、バックや小物の補修や、グルーの耐水性・絶縁性を生かして水回りのちょっとしたものの接着や電気製品の一時的な補修にもつかえます。

●グルーガンの種類●

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グルーガンには様々な種類があります。

【 ヒーターの温度設定 】

グルーガンの種類にはヒーターの設定温度が高温のものと低温のもの、2つのタイプがあります。それぞれにあうグルースティックを使う必要があります。

・高温タイプ :プラスチックやガラス面などのつるつるした面にしっかりつけることができます。プロ向き、業者さん向きです。融点が高くゆっくりと固まるので、その間に細工ができます。ヒーター温度は160~200℃ほどになります。

・低温タイプ :比較的低温なので、家庭用です。ヒーター温度は120~135℃。

【 ノズルの太さ 】

プロ用ではノズルを交換できるタイプがあり、普通のもの、細いもの、広い面に一度に塗布できるものなどがあります。家庭用の場合はトリガー(押さえるところ)の押し加減でグルーの出る量を調節しながら使いましょう。

【 コンセントの長さ 】

安価なものは短いようです。長いから便利というわけでもないので、自分が使いやすい
長さを選びましょう。

【 価格帯 】

クラフト用は1000円前後のものが一般的です。高価なものは過電流を防ぐ安全設計、使わない間の液漏れ防止機能付き、手元電源スイッチ付きなどがあります。

●グルースティックの種類●

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成分は合成樹脂でポリエチレンやポリビニルアルコールなどが主成分です。無臭で水や有害な重金属や溶剤も含まれないので、比較的人体にも環境にも安全です。
融解温度、サイズなどグルーガン本体にあうものかどうかを確認してから購入しましょう。

【 融解温度 】

低温用と高温用があります。高温用を低温用に使用すると、加熱不足で十分に融解しないうちにつけてしまうことになるので接着力が落ちてしまいます。

高温タイプは130~150℃で融解し、ガラスやプラスチック用に適しています。
低温は80℃前後で融解します。EVAエチレン・ビニール・アセテートなどが重合したもので、店頭にあるほとんどがこのタイプです。

【 サイズ 】

小型用で直径7~8mm、長さ10~20cm、中大型用で直径11~12mm、長さ20~30cmです。

【 カラー 】

半透明の乳白色ですが、最近は様々なカラー、ラメ入りなどもでており、接着剤としてだけでなく、グルーそのものをデコレーションパーツの一部として利用することができます。また、2色を混ぜてとかして、色を作ることも可能です。

2.グルーガンの使い方(基本)

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【 安全のために注意すること 】

PTC(positive temperature coefficient)ヒーター内蔵で、温度が上がるとヒーターの電気抵抗が上がります。つまり温度が上がると電気が流れにくくなり、下がると流れやすくなるので、ヒーターの異常な温度上昇を防ぎ、サーモスタットなどの温度制御が不要な構造になっています。

・ON/OFFはコンセントの抜き差しで一般的に電源のオン・オフボタンはなく、使わないときはコンセントを抜きます。長い時間の使用は危険なので、60分を目安にしましょう。また、発熱器具なので、延長コードの使用もNGです。

先端をいつも下に向けておく
先端を上へ向けたり、作業台の上に横に置いたりすると熱いグルーが内部に逆流して、ショートするなど故障の原因になります。

・やけどに注意
グルーの先端は低温タイプでも130℃くらいなので、直接触れないようにしてください。皮膚の柔らかいところについたりすると危険です。小さなお子さんは特に注意してください。長袖長ズボン、手袋やシリコン製の指サックなどをするとより安全です。

・余熱時間をしっかりとる
グルースティックが表面から中心部まで完全に溶けるまでに3~5分くらいかかります。温度が低いうちに無理に押し出すと溶けているグルーが内部に流れ、冷えてしまい、ノズルが詰まったりトリガーが押せなくなったり、故障の原因になったりします。

・グルーガンスタンドを活用しましょう
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グルーガンを下向きに安全に固定できるグルーガンスタンドが市販されています。木やプラスチック段ボールなどで自作も可能です。
キッチン用のシリコンマットやお弁当用のシリコンカップ、オーブンペーパーなどを利用して、余分に出て固まったものや糸を引いたものを回収しましょう。
再利用できます。(再利用については下部にてご説明しています。)

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こんな風にして、大型の洗濯バサミでも代用することもできます。

【 使い方のコツ 】

・固まるまで固定しましょう
グルーを出したら、熱いうちに素早く接着しないと接着力が落ちてしまいます。また、グルーが冷えて固まるのに20~30秒ほどかかります。可能なら指や棒で押さえたり、クリップで固定したりするほうが良いでしょう。ヘアピンやコサージュピン金属に接着するときは金属も熱くなりますので注意してください。

・グルースティックの補充
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スティックが短くなって、差込口より5mmほどしか見えなくなったら、次のスティックを補充しましょう。ロングタイプを利用すると、補充の手間が少し軽減します。

・グルーを出す量の調整
トリガーの押方加減でグルーが出てくる量を調整します。練習を積んでください。

・失敗したグルーのはがし方
はがしたいときは逆に温めると簡単にはずれます。
ドライヤーなどの温風であたためるときれいにはがれます。
この時もやけどをしないように手袋などをお勧めします。
細かいところをはがすときはピンセットや養生用テープなどでつまんでください。

3.グルーガンはこんな風にも使えます!

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接着剤としてではなく、とかしたグルーそのものを、デコレーションの素材としてりようできます。ミニチュアフードやデコレーションモチーフなどもつくれます。

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ラメ入りのものはそれだけでクリスマスやパーティーの飾りにもなります。
あとはガンさばき次第です。

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4.グルーガンの代用品

【グルーガンがないとき、急に壊れたとき】

不要な小ぶりの陶器のお皿にオーブンペーパーを敷いて、グルーを少量直接入れて、電子レンジで2分ほど加熱するととけます。
(とける時間は量によるので、少しずつ加熱してください。)

竹串やヘラなどですくって、接着します。
お皿はグルー専用になってしまいます。

【メルトポット(グルーポット)】

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金属の小鍋のようになっています。
グルーを一度にたくさん熱することができるので、作業時間が長いとき、たくさんのグルーを使うとき、複数の人で同時に使用するときなどに便利です。

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