ひも状に裂いた布を使った織物を「裂き織り」と言います。
もともとは着れなくなった衣類や、余ったハギレなどを無駄なく活用するために使われていた技術です。
いらなくなった素材をおしゃれによみがえらせることができるので、エコの観点からも広く注目されています。
海外では裂き織りで作ったマットのことを「Rag rug(ラグラグ)」と呼んでいます。
雑貨屋さんやインテリアショップでTシャツ生地などを使った、大きなマットを見たことがある方も多いのではないでしょうか。
細い糸を使った織物と違って、ザクザクと手軽に織れるので、子供からお年寄りまで誰でも楽しめるのが特徴です。
異素材を組み合わせて織ることで、糸では表現できない温もりと独特なテクスチャーを作り出すことができます。
今回は裂き織りで作る小物マットのレシピをご紹介します。
ダンボールの織り機でも楽しめるので、織物が初めてという方もぜひチャレンジしてみてください。
目次
◆ウィービング特集 バックナンバー
▼〈第一回〉木枠の織り機の種類や代用アイテム!作品をご紹介♪
▼〈第二回〉まず用意したい道具をご紹介♪
▼〈第三回〉ウィービングの基本!経糸の張り方を覚えよう♪
▼〈第四回〉手織りコースターを作ろう!コースターの織り方♪
▼〈第五回〉ウィービングタペストリーの作り方!タペストリーの織り方♪
■用意するもの
・コットン布 10×50cm程度、2~4種類
・経糸用のコットン糸
・織り機
・織り針もしくはシャトル
・とじ針
・くし
・ハサミ
■裂き織り小物マットの作り方
1.
布を広げて、端から1~1.5cm幅の位置に切り込みを入れます。
切り込みを両手で左右に引っ張って布を裂きます。
うまく裂けない時は切り込みを再度深めに入れて、力を入れて引っ張ります。
それでも裂けない時は、布の縦横を変えて試してみてください。
端まで来たら力を緩めて、切り落とさずに1.5~2cmほど残します。
布の向きを変えて反対方向に切り込みを入れ、そのまま裂き続けます。
1本に繋がる様に裂いておくと使いやすいです。
2.
指に巻いて玉にしておきます。
写真の様に手をすぼめる様にして裂き布を持ち、5回ほど巻いたら向きを変えてぐるぐると巻き、玉を作ります。
色々な素材や柄のものを用意すると楽しい!
同様に数種類の生地を裂いて、玉にしてまとめておきます。
柄のあるものや薄手のものなど、素材や色の種類を変えていくつか用意しておくと面白いです。
ニットや厚手の生地など、手で裂けないものはカッターマットと定規、ローラーカッターで切ると良いでしょう。
裂き布が用意できたら、シャトルや織り針に写真の様にセットします。
同じ種類の生地をおり続けたい場合はシャトル、織りながら色や素材を変えたい方は織り針が向いています。
3.
仕上がりサイズに合わせて任意の幅で経糸を張ります。ここでは15cm幅にしています。
経糸の糸で3往復ほど平織りします。こうすることで経糸を外した時によこ糸がほつれるのを防ぎます。
4.
裂き布を平織りで織っていきます。
毛糸よりも摩擦力が強く、伸び縮みしないので、折り返しの時の角度は大きめで両端は緩めに織ってください。
裂き布は毛糸に比べて幅広なので、くしで下ろすと経糸が表面に見えてきます。
仕上がりのイメージに合わせて色付きのコットン糸を経糸に使っても良いでしょう。
布を裂いた跡が立体感のあるテクスチャーを作り出してくれます。
織れるところまで織ったら布端は裏に出します。
先ほどの織り終わりと経糸5~6本分重なる様に、次の布を入れて織り始めます。
こうすることで継いだ部分がほつれにくくなります。
布の種類を変えながら平織りで織り進めます。
薄い生地や柄物、タオル地など様々な種類の布で試してみましょう。
糸くずもゴミじゃない♪
5.
裂いた時に出る糸くずを集めて手でまとめます。
好きな場所に挟み込んでから平織りを続けます。ふさふさとした糸がアクセントになります。
刺繍糸やミシン糸など、カラフルな糸を絡めて入れてみても良いでしょう。
好みの長さまで織ったら、最初と同じ様に経糸の糸で3往復ほど平織りします。
写真では約18cm織ったところです。
6.
作品を織り機から外したら、上下の経糸を3~4本まとめて一本結びで留めます。
両端全てを結び終えたらフリンジ部分を3~5cm残して切り揃えます。
裂き織りマットの完成です!
使う前に手で軽く水洗いすると繊維が落ち着きます。
■応用編 もっと大きいマットを作りたいときにおすすめ!
1.
同じ大きさでもう1枚作ります。
2枚を並べて置いたら経糸の糸でかがっていきます。
2.
まず経糸を平織りした端同士をかがって、固結びで留めます。
裂き布の折り返し部分に垂直にとじ針を通します。
両側の経糸をひっかける様にして水平に針を通します。
左側も垂直方向に針を通したら、経糸をかけて右へ戻ります。
この様に左右行ったり来たりを繰り返してかがり、最後は固結びで留めます。
2枚が横に繋がりました。同じサイズのマットを4枚作った場合は、経糸をまとめて結んで2枚ずつ縦方向に繋げた後、横方向に糸でかがって繋げます。
同様に何枚も作って大きくすれば玄関マットやキッチンマットを作ることができます。
まとめ
今回は毛糸を使ったウィービングではなく、布を使った裂き織りをご紹介しました。
裂き織りはウィービングの作品にも使える技術で、毛糸で織る中に一部裂き織りを入れると、素材感が出てハンドメイドの良さが引き立ちます。
今回の小物マットは1枚2時間ほどでできるので、クローゼットに眠っているハギレや古着、古くなったふきんなどを使ってぜひ裂き織りを試してみて下さい!
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