※こちらの記事では紗や工房の商品も撮影しているプロカメラマン初瀬による素敵な作品写真を撮るためのポイントをお伝えしています。
ライター:カメラマン:初瀬 士朗
1987年 札幌生まれ。ブライダルでの撮影経験を経て、2012年よりフリーランスとして活動開始。北海道内を中心に料理、建築等の出張撮影を手がける傍ら、2016年札幌に商品撮影専門のスタジオ、「1.0.2studio」をオープンする。
HP:R-4photoGraph (from officeWHINO)
こんにちは。カメラマンの初瀬です。
今回から背景の演出で商品イメージを作り上げるということを学んでいきます。
商品を誰にどんな人に買ってもらいたいのかを決める大切な作業になりますので参考にしてみてください。
例えば子供にもやさしい素材で作られた商品、30代の女性に向けた商品、手作りで暖かみのある商品といったイメージです。
その中でも今回は「クールで大人な高級感の演出」に使えるアイテムをご紹介いたします。
1 高級感を出したい!
高級感の演出で大切なことは所有することそれ自体に満足感を与えることができる商品かが大切です。
過度な演出をするよりはシンプルな背景で且つ商品を際立たせる。ちょっと手が届かないかもと思わせるアイテムを使います。
また落ち着いた色合いが好まれる場合が多いので、迷ったら黒を使ってみることが近道です。
それでは高級感を生むアイテムを今回は2つ紹介していきます。
今回は撮影対象としてこちらの時計を撮影していきます。
①化粧合板
これは化粧合板と呼ばれるもので光沢感があり光を反射しやすい素材が特徴です。
反射して写り込みしやすいので周囲に家具や生活感のわかる物があまりない状況での撮影が好まれます。
早速撮ってみます。
どうでしょう、板の上に置いてシャッターを切っただけです。
簡単に高級なイメージを演出できたのではないでしょうか。
比較として黒の色画用紙で撮るとこんな感じです。
だいぶイメージが違いますね。同じ黒でも使うアイテムによってかなり印象が変わります。
②サテン布
次にサテン布をご紹介しますこちらはツルツルとした素材で光の反射が美しいのが特徴です。
大人の女性用アクセサリーの演出などにピッタリです。
ご覧の通りシワになりやすい素材なので使う前は丁寧にアイロンをかけます。
早速撮ってみました。うーん。いまいちですね。
実は少しコツがいります。サテン布は立体感のあるシワを作ってあげることでグッと雰囲気のある仕上げがありにすることができます。
こんな感じで暑さや大きなの違う本などを置いて立体感を出して、無造作にシワを作っていきます。
そうして撮るとこんな仕上がりになります。
シワで布に適度な陰影ができ、最初の写真から格段に良くなりました。
黒以外の色でも撮ってみましょう。
高級感のある仕上がりになっているのではないでしょうか。この時計に合っているかどうかは別として。
③使用イメージを作る
それでは最後に商品を使用するイメージを演出して撮影してみましょう、勿論高級なイメージをもたせつつです。
今回はメンズの時計ですので、「男性が仕事で使うマストアイテム」というイメージで撮影していきます。
手帳やメガネ、パソコンなど、ビジネスマンのイメージが湧くものを選びました。
それを時計がメインになるように配置していきます。
コツとしては時計以外のアイテムを写真の枠から切っても問題ない、むしろ好ましくもあるということです。
あくまで主役は時計なので他のものは脇役に徹するように配置します。
今度は横から奥行きが出るように撮ります。
同様に時計以外は脇役ですので綺麗に写っている必要はありません。
いかがでしょうか。今回はここまでです。
今回は男性向けの時計でしたが、これが女性向けの時計でしたらピンクや黄色といった明るい色の化粧合板でも良好な結果が得られたでしょう。
今回のアイテムはほんの一例で、ご自身が手がけた商品の撮影ですので、ご自身が普段から好きな色や素材感のものを選ぶとイメージ通りの写真が出来ることも多いでしょう。
それでは今回はここまでです。また次回お会いしましょう。
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