目次
今回はハンドメイドアクセサリーの製作に使う金具のひとつ「クラスプ」について、その種類や用途、使い方等をご紹介していきたいと思います。
《クラスプとは》
ハンドメイドでアクセサリーを手作りするとき、ネックレスやブレスレット等を着脱可能にしているとても重要な金具が“留め具”です。
クラスプとは、その留め具の事を言います。
語源は英語の“Clasp”で、意味は名詞で「留め金」「締め金(ClampやBuckleと同義)」など、動詞では「からみつく」「つかむ」「抱きしめる」「握手する」などの意味を持つ単語です。
発音は日本語読みとほぼ同じ“クラスプ”です。
英語の意味そのままで、日本でも使われています。
しかしアクセサリーパーツのクラスプだけには限らず、歯科用語として部分入れ歯の留め金の事も同じくクラスプと呼ばれています。
《クラスプの種類》
アクセサリーパーツとしてのクラスプには、様々な種類が存在します。
クラスプというのはそもそも留め具であれば何でも良いのですから、使う場面や用途によって様々な種類・形状のクラスプが使われていて、私たちの日常生活でも色々なところで様々なタイプのクラスプに出会う事があります。
アクセサリーの製作で一般的に使われる事が多いクラスプの種類について、一通りご紹介いたします。
・ねじ式クラスプ
まずはこちら。ねじ式クラスプなどと呼ばれている留め金具です。
はじめて見る方は一見何のパーツなのか分からないですよね。
でも実は、ネックレスやペンダント類には結構頻繁に使われているクラスプのひとつなのです。
理由はこの小ぶりなサイズ感とデザインです。
両端のカン部分を含めても、ねじを全て閉めた状態で約10mmととってもミニマム。
直径(太さ)も約2〜3mmと、少し太めの小豆チェーンなどとあまり変わらない太さです。
凹凸の内側がねじの形状になったような形をしています。
付け外しの仕方も簡単で、着ける時はねじを締め、外す時にまたねじを緩めてからクラスプを外すだけで着脱が出来ます。
ですがデメリットもあり、カニカンや引き輪のように片手で付け外しができるタイプではないので、どうしても両手でねじを回す必要があるためブレスレットなどには向きません。
それにアジャスターをつけることができませんのでサイズ調整も出来ないという事になります。
・「中折れ式金具」「中折れクラスプ」
お次はこちら。
平たい板のような形状のパーツをもう片方のパーツにひっかけて折り畳むようにして留める事ができるクラスプです。「中折れ式金具」「中折れクラスプ」とも呼ばれています。ちょっとごつごつしていて無骨な印象が強いデザインですが、フラットな形状なのでアクセサリーのデザインを邪魔しません。
時計の留め具として似た形の物が使われているのをよく見ますよね。
色違いの中折れクラスプです。
色合わせさえ間違わなければ、レザーで作るブレスレットやユニセックスデザインのアクセサリーに使うととても使い勝手の良いアクセサリーが出来ます。
・S字クラスプ
続いてこちらのくねくねとしたフォルムのクラスプ。複雑な構造に見えますが実はとてもシンプルな作りです。
S字型の金具の両サイドに、リングパーツのような丸カンのような金具がついているだけで、名前もそのまま「S字クラスプ」といいます。
使い方も至ってシンプルで、ネックレスやブレスレットのチェーンやヒモなどをクラスプの両端のリングに繋ぐだけで、あっという間に素敵なアクセサリーになっちゃいます。
真ん中がS字になっている事により左右どちらからでも開閉できるとても便利なクラスプです。
ただし引っ掛けているだけなので、ねじ式クラスプ等に比べると若干ですがはずれやすくなっています。
これが留め具なの!?と思わず声に出てしまいそうなほど凝った見た目のクラスプですね。
これも実はS字クラスプと構造は同じです。
裏側はこんなふうに、お花部分にS字のフックがくっついたような構造になっています。
両端にくっついてるのが先ほどのS字クラスプと同様のリングパーツです。
ここにS字になっているどちらかのフックを引っ掛けたり外したりする事で着脱が可能になっています。
《クラスプの使い方》
様々な種類のクラスプをご紹介しましたが、どれもその形状によってアクセサリーの留め具としての一長一短があります。
それぞれのクラスプの長所を最大限に活かせる使い方をご紹介いたします。
冒頭で最初にご紹介したクラスプ“ねじ式クラスプ”を使ったペンダントです。
ペンダントトップ、チェーン、チェーンと同色のねじ式クラスプという、最低これだけの材料で作れちゃいます。
ねじ式クラスプははじめから両端部分が丸まっていて、丸カンの役割を果たしてくれます。
コマが開かないタイプのチェーンをつかっていてもこれなら丸カンをわざわざ用意しなくても大丈夫です。
またねじ式クラスプは、右利き左利きを問わず開け閉めが簡単に出来るので、販売する際などは購入のきっかけになってくれそうです。
大きめのペンダントトップに合わせてもごちゃごちゃとした印象になりにくく、シンプルにまとまります。
こちらはハンドメイド作家さんたちの中でも頻繁に使用している方が多い「カニカン」「ダルマカン」の組み合わせです。
こちらも小さめかつシンプルなデザインなのですが、このカニカンとダルマカンを使うよりもクラスプ類を使用した方が良い例があります。
このペンダントトップなんかを使う時がそう。
どこが?とお思いの方も多いと思いますが、じつはこのチャームをひっくり返すとこうなっています。
そう、こちらが裏側なんです。デザイン上表裏があるパーツやチャーム等を使うネックレスの時は、先ほどのねじ式クラスプやS字クラスプなど、利き手に関わらず使いやすいクラスプはとても便利なパーツですよね。
いかがでしたでしょうか。
様々な種類があり、それによって役割も全く違う留め具パーツ「クラスプ」についてご紹介しました。
留め具はアクセサリーのデザインを左右するだけでなく、使い方次第でアクセサリーの質、使いやすさ、リピートの購入に繋がるかどうかも違ってきます。
ぜひ、できるだけ多くの種類のクラスプを実際に使ってみて、上手く使いこなして下さいね!
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