【ハンドメイドの基礎知識】テグスの使い方、種類、選び方やコツ・レシピについて

みなさん一度は耳にしたことがあるテグス、テグスについてどれぐらいご存知ですか??
テグスは、いろいろな種類やサイズがありアクセサリー作りには欠かせないアイテムですよね。

今回はそのテグスの種類や選び方についてご紹介していきます。



1. テグスとは


漢字では天蚕糸(てんさんし・てぐす)と書きます。
昔テグスサン・カイコなどの幼虫の体内からとった絹糸腺を、酢酸につけて引き伸ばし、乾かして天然繊維が使用されていたことに由来します。

現在は合成繊維で作った類似の物もテグスと言い一般的な物はナイロン製でビーズ制作では「テグス」釣り糸としては「ライン」呼ばれています。

2. テグスの種類

色々なテグスの種類がありますが今回は一般的なテグスの種類と特徴・欠点をご紹介します。

◆ナイロン

ビーズ制作で一番使われているおなじみの素材
値段も安く手芸ショップで売っています。
柔らかくしなやかであるため扱いやすい素材です。

≪特徴≫
・安価でどこででも手に入れやすい
・しなやかでやわらかく扱いやすい
・適度な伸びがある
・衝撃を吸収する
・少し伸びるので結束強度(結び目の強さ)が強いこと

≪欠点≫
・巻きクセがつきやすい
※巻きクセの取り方は下記に紹介があります※
・吸水性がある為吸水により強度が下がる
・紫外線(日光)により劣化する
・傷が付きやすく少しでもキズが入ると強度が大幅に低下する

フィット感のあるしなやかな作品に向いています。

◆フロロカーボン

ナイロン製のテグスの短所である水分・紫外線での劣化を無くしたテグスです。
正式名:ポリフッ化ビニリデン
フロロカーボンはフッ素と炭素の化合物のフッ素系樹脂です。
テグス以外の活用法としては弦楽器の弦、手術用縫合糸等に使われています。

≪特徴≫
・ナイロンと同じくらいの強度(水のある場所ではナイロンより強い)
・紫外線(日光)で劣化しない
・水を吸収しない
・伸びが少ない

≪欠点≫
・ナイロンよりも多少値段が高い
・摩擦に弱い
・滑りやすい
・クセがつきやすく一度クセがつくと元に戻せない
・結束強度(結び目の強さ)はナイロンより弱い

使用感は、ナイロンよりも少し張りがある感じです。

◆ホンテロン(ポリエステル)

ホンテロンは「ポリエステル」の別名
石油を原料とするプラスチックのポリエステル
ホンテロンは、フロロカーボンよりもさらに堅い感じで、凄く張りのあるテグスです。

《特徴》
・伸びがない
・張りがある
・摩耗に強い
・紫外線(日光)で劣化しない
・水を吸収しない
・クセがつきにくいのでビーズをすくいやすい
(クセがついても引っ張れば真っ直ぐになる)

≪欠点≫
・値段が高め
・伸びがほとんどない
・張りが強い
・しなやかな作品作りには向かない

金属を使用していない細い透明ワイヤーのようで強度のある作品に向いています。

3.テグスの硬さ・強度とサイズ

テグス張りと硬さ(左:弱い→右:強)
「ナイロン」<「フロロカーボン」<「ホンテロン」

強度 (左:弱い→右:強)
「ナイロン」<「ホンテロン」<「フロロカーボン」
※乾燥時の強度はフロロカーボンよりナイロンの方が強いです※

3つを比べたところ、
一番汎用性が効き使いやすいのはナイロンのテグスだと思います。
安価のため練習にも使えますし、
一番出回っているので品切れも少なく手に入りやすいのも大きな利点です。
ただ一番良いのは作品によってテグスを変えることですので、
一つずつ揃えることが理想です。

【テグスのサイズ】

テグス号数      サイズ
   1号            0.17mm
   2号            0.23mm
   3号            0.29mm
   4号            0.33mm
   6号            0.40mm
   8号            0.47mm

号数が大きいほど太くなり無色透明の他いろいろなカラーがあります。
いろいろな太さがありますがビーズ制作で使用されるのは2号~3号が一般的です。

4.伸びるテグスの種類

いろいろな名称で販売されていますがゴムの種類は大きく分けて2種類あるので今回はこの2種類をご紹介します。

<繊維状の物>

名称例:オペロンやスーパーアンタロン

ポリウレタンの細い繊維状のゴムを束ねて1本の太いゴムにしたもの

<長所>
・2重~4重に通して強度を高める事が出来る
・細い繊維が少しずつ切れていくので突然切れる前に修理が出来る
・様々な色があり楽しめる
<短所>
・透明色がない為、透明感を重視したい人には不向きである

<透明のゴム状の物>

名称例アンタロン・モビロン

1本のポリウレタン製の透明タイプのゴム
太さは約0.4mm~約1.0mm程度が一般的

<長所>
・透明なゴムの為、透明感のあるパーツにも使いやすい
・様々な色があり楽しめる
<短所>
・切れた場合はパーツがはじけ飛んでしまう
・通し穴のフチでゴムが削られてゴムが切れてしまう場合がある

5. テグスの使い方

・編む

ビーズを編むことでチャームを作ったり装飾品として使うこともできます。


・通す

ブレスレットやネックレスを作るときなどに活躍します。

6.テグスの代用品

・ナイロンコートワイヤー

ナイロンコードワイヤーはワイヤーをナイロンでコーティングしたもので、適度なハリがあるので重いビーズやパーツを通すのに適しています。

・アーティスティックワイヤー

アーティスティックワイヤーは自由自在に形が作れるのでビーズを通すだけではなく、天然石に巻いたりすることもできます。

7. テグスの終わりの処理方法

【処理の仕方】

1.結んで処理
一番簡単な方法です。

2.つぶし玉での処理

つぶし玉をテグスの端につけて平ヤットコでつぶし玉を少しつぶすとしっかり止まります。
あまりきつく潰してしまうとテグスが切れてしまうので気を付けてください。

3.ボールチップでの処理

つぶし玉だけで処理をするのもいいですが、ネックレスを使う際などにボールチップを使うと見栄えが良くなります。

8.巻きクセがついてしまった場合

1.ドライヤーの熱風をあてる

テグスをピンと貼った状態でスイッチを入れドライヤーの噴出し口付近をゆっくりと通過させます。
一度できれいに伸びない時は何度が往復しましょう。
極端に変形することは少ないので初心者の方にもおすすめです。

2.蒸気をあてる

お湯を沸かして立ち上る湯気の上をゆっくりと通過する。
※必ず火を止めてから行いましょう※

3.おもりをつけて吊るす

時間のある時や熱を使うのが不安な方におすすめ
適当な長さに切ったテグスの端に洗濯バサミなどをつけ高いところから吊り下げる時間を置けばまっすぐになりますが、テグスの種類や太さによって異なるので様子を見ながらやりましょう。

その他、お湯に浸ける方法などもありますがナイロンテグスの場合は吸水性があるのであまりおすすめ出来ません。

9.同じビーズにテグスをたくさん通したい時のやり方

特にモチーフ系などで同じビーズにテグスを通さないといけないけど、なかなか通らない時ってありますよね・・・

そんな時の処理のポイント!

1.手元が見づらい時はテグスの先を油性マジックで黒く塗る
※ビーズに色移りする場合があるので気をつけて下さい!!

2.

ニッパーでテグスの先を斜めに切る。

3.

通したい所に目打ちを通す。
細い目打ちがおすすめです。
作品が壊れないか心配になりますがわりと大丈夫です。

4.平ペンチでテグスをはさんで穴に通す
テグスを斜めに切っているので先端がとがっており通しやすいです。

5.

テグスがビーズに通り先端が見えたら先端を平ペンチではさみテグスを引き抜く

このようにするととてもやりやすくなります。
ぜひ試してみてください!

いかがでしたか?

今回はテグスの号数と種類について簡単にご説明いたしましたが、テグスの特性を知っていると使い分けが出来ますね。
ビーズアクセサリーの基本となる部分ですのでぜひ参考にして頂ければと思います。
自分の手に馴染むものをしっかり選別して、最高のビーズ作品を作りましょう!

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