【ハンドメイドの基礎知識】チェーンの種類と選び方、アクセサリーのチェーンの長さや使い方

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今回はハンドメイドアクセサリーを作る際のチェーンの選び方、チェーンの種類、ネックレスチェーンの長さや使い方をご紹介します。



1.チェーンとは

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チェーンとは チェーンとは環状のパーツをつなげて線状したもの。
船舶のアンカーチェーン、ドアチェーン、ジュエリーに使用されるネックレスチェーンなど、日常生活から普段目にすることがないところまで様々なシーンで利用されるなじみ深い存在です。

そんなチェーンが装身具として歴史に登場するのは、青銅器時代のメソポタミアで 有名なハンムラビ王がハンムラビ法典を作る1500年以上も昔のことです。

因みにエジプト(こちらもジュエリー史では有名ですが)が青銅器時代に入るのは、メソポタミアに遅れること約1000年後。高度な冶金や金工技術を有したメソポタミア文明だったからこそ製作できたことだったのでしょう。

4000年以上も前から、人類はチェーンをジュエリーとして身に着けていたのですね。

2.チェーンの種類と特徴

巷には数多くのチェーンがあり、何をどう選べばよいか迷ってしまします。
しかし、見た目は複雑そうに見えても基本構造は3種類に集約されます。

▼基本の3種類

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左からボールチェーン、喜平チェーン、あずきチェーンです。
構造まで理解しておく必要はないのでは?と思われる方もいるかもしれません。

たしかに、ネックレスチェーンとしてのみ使用するには必ずしも重要な知識ではないのでしょう。

しかし、ハンドメイド好きとしては、やっぱり自分なりにアレンジしたい!という欲求がどこかにあるはず。

そんな時、基本的な構造を知っていれば、自分のアイディアやイメージを形にしやすいですよ。

たった3種類でさほど難しくありませんので、ぜひ頭の片隅にでも置いておいてください。
それでは基本の3種類を順に見ていきましょう!

2.1あずきチェーン

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Cカンをひたすら繋げたような構造です。
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そのためチェーンを真横からから見ると「輪の正面」と「輪の側面」が交互に並んでいるのがお分かりいただけますか?

「輪の正面」が連続して現れないため、チェーンに適度に空間があります。
そのため、鎖ではあるものの重々しい感じがあまりありません。
輪一つ一つの可動域も広いため、他のチェーンにくらべて動きがなめらかです。

また、一つ一つの輪が交互に異なった面を向いているため次に紹介する喜平チェーンにくらべると、 きらきらした印象を与えることも特徴の一つです。

モチーフやペンダントトップのみを目立たせたい場合にぴったりですね。

2.2喜平チェーン

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一つ一つの輪を90度にひねって繋げたような構造です。
一見、あずきチェーンと同じように見えるかもしれませんが近くで見ると差は明らかです。

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いかがですか?

あずきチェーンと違いすべての輪がこちらを向いています。
輪に90度ひねりを入れることで、すべての輪が同じ面を向き「輪の正面」が連続します。

そのため、あずきチェーンよりもみっしりした重厚感のある印象が喜平チェーンの特徴です。
チェーン自体にも存在感を持たせたい場合に便利ですね。

輪一つ一つの可動域は狭いので。なめらかな曲線を作るのには向きませんが、 常に決まった面のみを見せたい場合、例えばビブネックレスなどにはぴったりです。

2.3ボールチェーン

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その名の通り、ボールを繋げたような構造です。
ボールにあるツメを接合して線状にしてあります。

連なったボールが動きに合わせてコロコロ動き、あずきチェーンよりもさらにキラキラした印象を与えるのが、ボールチェーンの特徴です。

鎖のもつどこか重々しい印象があまり強くないため、ポップなテイストやカジュアルなシーンにはぴったりです。

ただし構造上、あずきチェーンと喜平チェーンに比較すると強度は低いので注意しましょう。

2.4その他のチェーン

基本の3つ以外によく見かけるチェーンを簡単に紹介します。

~ベネチアンチェーン~

直線的でスマートな印象が魅力的なベネチアンチェーン。
雑な構造に見えますが、あずきチェーンと構造は同じです。

▼ベネチアンチェーン

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近くで見てみると、幅のある輪が繋がっているのがわかりますか?
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小さいころ七夕やお誕生日会でつくった折り紙の鎖、というとイメージしやすいかもしれません。

輪同士がかなり密着して連なっているので、存在感と光沢感があり全体としてエレガントな印象を与えます。

あずきチェーンや喜平チェーンのように加工して使用するというよりは、ペンダントヘッドをつけてそのまま使用する方がベネチアンチェーン魅力を損なわずに楽しめますよ。

~各種フィガロタイプのチェーン~

リズミカルで華やかな印象のフィガロチェーン。
複雑に見えても、構造は基本の3つとほぼ変わりません。

▼各種フィガロタイプのチェーン

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すべて同じサイズだったの輪を大小交互の輪にしたのがフィガロタイプのチェーンです。

基本3つのチェーンすべてにフィガロタイプがあります。

輪のサイズが変化するだけですこしリズムがつき、チェーン全体が華やかな印象になりますね。

長さで変わるネックレスチェーンのイメージ

種類の違いで印象が変わるチェーンですが、長さの違いだけでもぐっと印象が変わります。

ここでは、長さの異なるネックレスを種類別に見ていきましょう。

~Choker(チョーカー)35-40cm~

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最も短いタイプのネックレスです。
モチーフが顔の近くにあるため、存在感の強いネックレスです。

パーティーから普段使いまで使い勝手のよいサイズです。

~Princess(プリンセス)40-45cm~

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最も一般的なサイズのネックレスです。
デコルテの開いた華やかなドレスを着たお姫様が付けているような長さのため、この名前がついたそうです。

鎖骨あたりにかかる長さで、首元がきれいに見えるといわれます。

~Matinee(マチネー)50-55cm~

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胸元あたりまでくるサイズのネックレスです。
マチネーとはフランス語で昼公演の意味。

昼公演を見に来たレディー達が良く身に着けていたことから、この名がついたそうです。

由来の通り、どこか上品な印象のあるネックレスです。

~Opera(オペラ)70-80cm~

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マチネーに対しオペラは夜公演を指します。
オペラを見るときのドレスアップした装いにマッチするサイズということがこの名前の由来です。

縦長のシルエットが、ボディーラインをスリムに見せてくれる効果もあるそうですよ。

~Rope(ロープ)107cm以上~

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オペラよりも長いサイズのネックレスです。
そのままつけても、二重三重にしてもまた違った印象で楽しめる可能性の広がるネックレスですね。

3.チェーンの使い方(基本)

~ネックレス・ブレスレット・アンクレット~

チェーンをネックレスなど環状にして使用したい場合は、末端に留め具(カニカン・アジャスターなど)を付けるだけです。

ただし、チェーンの種類に留め具を付けるのに必要なパーツが異なりますので若干の注意が必要です。

あずき・喜平チェーンに留め具を付ける

あずき・喜平チェーンに留め具を付けるには、Cカンや丸カンがあればOKです。ただし、購入する際はくれぐれもサイズ確認を。

いざ作ろうとなったときに、チェーンの輪にCカン・丸カンが通らない!ということは起きがちです。

入念な事前チェックは必要ですが作業自体はとても簡単です。カニカンとCカンを例に見ていきましょう。

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Cカンにカニカンを通します。

2.さらにCカンにチェーンも通します。

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3.Cカンを閉じればもう完成です。もう一方の末端には、同様にしてアジャスターもつけます。

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ボールチェーン

ボールチェーンに留め具を付けるには、CカンとVカップが必要です。

▼Vカップ

Vカップは一見ボールチップと似ていますが、使用方法が異なるのでご注意を!

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では、使い方を見ていきましょう。

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チェーン末端のボールをVカップの窪みに合わせます。

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平ヤットコでVカップを半分に折り曲げます。

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あとは、あずきチェーンや喜平チェーンと同様にCカンでカニカンとつなげば完成です。

ボールチェーンには、あずき・喜平チェーンのような輪の構造がないので、留め具+Cカン」を取り付けるのに「Vカップ」も必要になるわけですね。

4.チェーンはこんな風にも使えます!

チェーンは必ずしも環状にする必要はありません。
作品の中に「パーツ」として取り入れることもできます。

各チェーンの特徴をうまく生かして活用しましょう。

喜平チェーンのフリンジでタッセル調に
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数本の喜平チェーンを9ピンに通してフリンジの様に用い、 ラインストーンなどと合わせるとタッセルのようになります。

わずか数本でも、糸を何本も束ねたタッセルのような印象を与えるのも 喜平チェーンの持つみっしり感のおかげです。

あずきチェーンのフリルで華やかさをプラス
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ビーズのみではなんだかシンプルすぎる、 そんなときは、チェーンでフリルを付けてみるといいかもしれません。

ビーズを連ねてフリルにするのは大変ですが、チェーンでしたら適当な長さに切るだけ。

なめらかな弧を描いたフリルがほしいなら、あずきチェーンが適任です。

構造上、輪一つ一つの可動域が喜平チェーンよりも広いので狭い間隔のフリルでも自然な曲線をつくります。

間隔が広い場合はボールチェーンもおすすめです。

細いながらもキラキラ光るため存在感があり、コサージュなどの大きいモチーフにも負けません。

圧迫感のない動きのあるチェーンのフリルは重すぎずかわいすぎない華やかさをプラスしてくれます。

5.チェーンの代用品

全く同じとはいきませんが他の材料でチェーンに似た雰囲気をだせるものをあつめてみました。

ナイロンコートワイヤー+ビーズ

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ナイロンコートワイヤーにゴールドやシルバーのビーズを通し、そこにペンダントヘッドを垂らします。

チェーンほどフォーマルではありませんが、メタル感があるものの温かみのあるネックレスに仕上がります。

ワイヤー・9ピン

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ワイヤーを使ったメガネ留めや、9ピンをつなげてもチェーンの代わりになります。

根性は必要ですが、チェーンよりも暖かな印象でオリジナリティ溢れる自分だけの作品になりますね。

いかがでしたか? 少々長文になってしまいましたが、以上チェーンについてでした。
チェーンを購入するさいは、ぜひ思い出してみてください.

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