※こちらの記事では紗や工房の商品も撮影しているプロカメラマン初瀬による素敵な作品写真を撮るためのポイントをお伝えしています。
ライター:カメラマン:初瀬 士朗
1987年 札幌生まれ。ブライダルでの撮影経験を経て、2012年よりフリーランスとして活動開始。北海道内を中心に料理、建築等の出張撮影を手がける傍ら、2016年札幌に商品撮影専門のスタジオ、「1.0.2studio」をオープンする。
HP:R-4photoGraph (from officeWHINO)
こんにちは。カメラマンの初瀬です。
前回は一眼カメラについて少し眠くなるようなお話をしましたが、今回と次回2回に渡り、実際に一眼カメラを使って、思い通りの明るさと色、ボケ味を得るための撮影方法を紹介したいと思います。
自身の作品を撮影するという点に絞って基本の撮影テクニック、カメラの使い方をご説明していきましょう。
その中でも今回は「明るさ」を学んでいきます。
1 M(マニュアル)モードで一気に近道しよう
カメラにはこんな感じでモードダイヤルがたくさん付いていることでしょう。
どれを使う?とりあえずオートで一安心?
いえいえそれではいつまで経ってもカメラの仕組みがわかりません。
今回は比較的上級者向きのこれ。
ですが、慣れてしまえば作品撮りにおいては一番使い勝手のいいモードです。
初心者向けのモードはたくさんありますが、「M」と書かれたマニュアルモードを使います。
このモードは全て自分の手でカメラの明るさなどを設定する上級者向けのものですが、こちらを使って写真を撮る仕組みを一気に理解してしまいましょう。
2 Mモードでやらなければいけない3つのこと
それではMモードにしてとりあえずシャッターを押してみましょう
真っ暗でまともな写真になりませんでした。
Mモード恐るべしですね。
どうしましょう。
以下の3要素を自由に組みあわせることで思い通りの明るさで撮影することができます。
こんな感じで設定が色々と書かれていますが、見るのはこの3つです。
シャッタースピード….写真のブレにつながる。1/125といった表現がされる。
絞り(F値)….写真のボケ味につながる。F5.6といった表現がされる。
ISO感度….写真のきれいさにつながる。ISO400といった表現がされる。
これによりブレやボケ味の表現が自由に使いこなせるようになります。
風景写真での美しいボケ表現や、スポーツ写真における流し撮り、滝の流れる様子など写真でしかできない表現は全てこれらの組み合わせで可能となります。
どんな数字が良いか検討も使いない。。。
大体の目安ですが、日中のお部屋の中でしたら
絞り5.6
ISO 1600
シャッタースピード1/100
に設定してみましょう。なんとなく写るはずです。
この設定から明るく、暗くといった微調整を少しずずやってみましょう。
調整で最も重要なことは、絞り一つ分、
※ISO感度一つ分、シャッタースピード一つ分の明るさの変化を同じであることです。
ですので絞りを3つ明るくしても、ISO感度で一つ、シャッタースピードで二つ分暗くすれば同じ明るさに撮影できるのです。
※ISO感度についてはカメラの機種により絞り、シャッタースピード
一つ分ではない可能性がありますのでご注意ください。
この3つの中での作品撮りにおいての優先順位は
1.絞り
2.ISO感度
3.シャッタースビード
となるでしょう。絞りでボケ味を調整し、ISO感度をなるべ低く設定して、最後にシャッタースピードで明るさを決めいていきましょう。
シャッタースピードが重要としていないのは、作品が動かないものだからです。
ただし遅いシャッタースピードになると手ブレを起こす可能性がありますので三脚を使用して手ブレを避けるか、ISO感度を上げてその分シャッタースピードを速くしましょう。
3 実際に撮影して明るさを設定しましょう
絞り F9 ISO感度 12800 シャッタースピード 1/125
とりあえず写るように設定しました。
ここから細かく設定していきます。
まずもう少し背景をぼかしたいので絞りの数字を小さくしてみます。
絞り F2.8 ISO感度 12800 シャッタースピード 1/125
絞りの数字を小さくした分かなり明るくなってしまいました。
シャッタースピードをその分速くして明るさを戻します。
絞り F2.8 ISO感度 12800 シャッタースピード 1/1250
これでボケを大きくしながら、最初の明るさに戻りました。
絞りの設定はこれで決まりました。
次はISO感度の設定です。
よく見るとかなりガサガサでノイズが出ていますのでISO感度の数字を小さくしていきます。
絞り F2.8 ISO感度 100 シャッタースピード 1/1250
今度はISO感度を一気に小さくした分真っ暗になりました。
シャッタースピードをその分遅くして明るくします。
絞り F2.8 ISO感度 12800 シャッタースピード 1/10
今度はシャッタースピードを遅くしすぎたため手ブレしてしまいました。
ISO感度を少し上げて、手ブレしないシャッタースピードまで速くします。
絞り F2.8 ISO感度 500 シャッタースピード 1/50
これでISO感度を下げたことでガサガサ感をなくしつつ、最初の明るさで撮影することができました。
ボケ感とガサガサ感(ノイズ)の変化はこんな感じです。
いかがでしたでしょうか。
最初はMモードの使い方に四苦八苦すること間違いなしですが、慣れると他のモードは使えなくなるでしょう。
次回は色味のお話と、
ボケ味についてもう少し掘り下げていきたいと思います。
それではまた次回!!
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