【ハンドメイド作品販売ガイド/作品撮影のコツ・方法】プロカメラマンによる作品撮影のための第0歩



-プロカメラマンによる作品撮影のための第0歩

作品撮影の仕方1
※こちらの記事では紗や工房の商品も撮影しているプロカメラマン初瀬による素敵な作品写真を撮るためのポイントをお伝えしています。

【この記事を書いている人はこんな人】
ライター:カメラマン:初瀬 士朗
1987年 札幌生まれ。ブライダルでの撮影経験を経て、2012年よりフリーランスとして活動開始。北海道内を中心に料理、建築等の出張撮影を手がける傍ら、2016年札幌に商品撮影専門のスタジオ、「1.0.2studio」をオープンする。
HP:R-4photoGraph (from officeWHINO)
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今回は第0回ということで、私自身の商品撮影時の心得や機材環境や撮影時のポイントを
実際の紗や工房の作品撮影事例を使用して紹介していきます。

1.商品撮影とは

私が思う商品撮影の際、心がけている点は以下の3つです。

①お客様に商品の情報を視覚的に正確に伝えること

作品撮影の仕方2

②商品をより魅力的に伝えること

作品撮影の仕方3

③具体的な使用イメージを伝えること

作品撮影の仕方4

①は商品の色や大きさ、形などを正確に伝えることです。
(これはとても難しいことです。。)
流行っているからといってこの写真をインスタ風加工で色を崩すのはやめましょう。

②は「イメージカット」と言うとわかりやすいでしょうか。
撮影アングルや背景に変化をつけて

商品をよりかっこよく、かわいく、素敵に見せるための写真です。
抽象的であまり使いたくない言葉ですがより「センス」が問われる部分です。

③は実際の使用例を提示する写真です。商品を販売したいターゲット層を明確にできるほか、
①と②を補うような写真です。モデルの着用写真などもこれにあたります。

ECサイトではモデル使用イメージ写真の有無で売れ行きがかなり違うという話も聞きます。うわさですが。
商品撮影のやり方がよくわからない方はこんなところを気にしてみてください。

2.撮影環境紹介

私が紗や工房の商品撮影をするときの撮影機材を一部紹介しましょう。

①一眼レフカメラ

作品撮影の仕方4

ニコンの一眼レフカメラです。ボケや明るさの細かな調整、他の機材との連携を考えるとやはり一眼レフカメラがおすすめです。

②レンズ

作品撮影の仕方5

105mmのマクロレンズです。(使用しているのはこれ一本です)
正確に商品の形を伝えるために望遠とよばれる105mmをつかっています。

そして紗や工房の商品は小さいものになると直径5mmほどになりマクロレンズは必須です。

このくらい小さい商品になると呼吸をする動きだけでピントが外れます(笑)

③クリップオンストロボ

作品撮影の仕方6

照明はピカっ!!と光る閃光、いわゆるストロボを使用しています。撮影意図によって1~2灯使っています。

1日8時間に及ぶ撮影になることも多いので、いつでもどこでも同じ照明環境で撮影するためにはストロボが適しています。

太陽光や室内の光つかわないんですか?という疑問が湧いてきそうですが、いつか答える機会がありましたら答えますね。

④撮影小物
イメージカットには撮影小物が必要になることが多いです。常に写真撮影に使えそうな小物を探すアンテナを張っておくと日々の生活がさらに楽しくなる!!かもしれません。

100円ショップは安価に小物を探すには本当に便利なのでおすすめです。

作品撮影の仕方7

普段撮影に使っているのはこのようなものです。
他にも便利グッズはありますが長くなりますのでまた別の機会にしましょう。

3.実際に撮ってみた

それでは実際に紗や工房の作品をどのように撮影したのか、撮影フローを紹介しましょう。

ではまず完成写真がこちら

作品撮影の方法8

明るく清潔でやわらかい写真を目指しました。

こちらが最初の1カット目
作品撮影の方法9

ただカメラをかまえてシャッターを押すだけだとこうなりました。

撮影意図をまったく感じず、作品の質を下げてしまっています。

作品をよりよく見せられるように背景、ライティング、小物の要素をひとづつ決定していきます。

①背景

始めに背景をきめていきます。背景は写真のイメージを決める重要な要素です。

悩むときはなるべくシンプルな背景を選ぶとよいでしょう。

作品撮影の方法10
こんな感じで用意しました。
画用紙と木のバインダーです。とりあえず作品を乗せてみます。

作品撮影の方法11

ちょっと色が濃いので作品より背景に目がいきます。薄い色にして作品を目立つようにします。

作品撮影の方法12

と、いろいろ乗せてみましたが最終的にこちらにしました。

作品撮影の方法13

今回は感覚で選びました。

作品に丸みやあたたかみを感じたので木の雰囲気に合うのでは、と感じたからです。

②ライティング

次に商品を魅力的にみせるライティングをしていきます。さきほど紹介したクリップオンストロボを使います。

作品が本来の見た目と同じか、作品のイメージにあっているかといったところを基準にしていきます。

作品撮影の方法14
カメラにそのままストロボをつけました。
作品の見た目とかけ離れており、このままでは作品の質感が伝わりません。

作品撮影の方法15

光をやわらかくしました。それでもわざとらしい光で作品の質感を損なっています。

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そのままストロボを商品の後ろに置きました。いわゆる逆光です。
だいぶ見た目に近づいてきて先ほどより悪くないですが

手前の暗さが、今回の作品のもつイメージにそぐわなくなっています。

作品撮影の方法17
今度はカメラ向かって左に置きました。見た目どおりに仕上がりいい感じです。
今回はこのライティングでいきます。

作品撮影の方法18
加えて今回は下に接着して作品を立てました。商品を傷つけないものならテープでも粘土でもなんでもOKです。

③小物選び

小物を選ぶときのコツは商品より目立たないようにすること、商品のもつイメージと似たものを選ぶことです。

今回の被写体は色が少なく、形もシンプルで全体的に丸い形ものなので背景も落ち着いた色や丸みのある形のものを選びます。

ということで

作品撮影の方法19
造花を使用することにしました。それを使いたい花びらだけ取り外して

作品撮影の方法20

こんな感じでセットしました。

④撮影

そして全ての要素を合せて撮ったのがこちら

作品撮影の方法21

ここから作品と背景と小物の位置関係を調整いていきます。

バインダーの後ろの黒い部分が写りこんでしまいました。そこで少しアングルを上から見下ろすようにかえてみました。

作品撮影の方法22
解決しました。次は少し写真が暗いのでストロボの光量を上げてみます。

作品撮影の方法23

いい感じです。次は花の主張が強いので、もうすこしぼかすために花を後ろに下げてみます。

作品撮影の方法24 作品撮影の方法25

花をボケていますが花と作品の位置関係が中途半端になっていしまいました。。アングルを最初のカット時のものにもどします。

作品撮影の方法26
当然バインダーの黒い部分がまた現れてしまいました。。。

このままでは堂々巡り。。。なので

作品撮影の方法27

シンプルに隠す。
ということで1輪造花を増やして完成です。

いかがでしたか。今回は私の自己紹介を兼ねて実際の撮影の1コマをみていただきました。

次回、第一回でまたお目にかかりましょう!

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