日本伝統工芸の1つ、つまみ細工。その「和」の豪華さや鮮やかさにはあこがれますね。
一見敷居の高そうなつまみ細工ですが、少し根気はいるものの、思ったよりも簡単な作業で出来上がるので、ハンドメイド初心者にはおすすめなのです。
目次
今回は日本伝統工芸の一つで今注目されてきているつまみ細工の種類、作り方やテクニックなどをご紹介していきます。
つまみ細工とは
つまみ細工は江戸時代から伝わる日本の工芸で、布を正方形に切り取ってから折り畳み、組み合わせによって様々な形をつくる技法です。
つまみ細工を始める為に必要な用具や資材もシンプルで小型・比較的安価です。
生地としては高価なちりめんですが、最近はお細工用にカット済みの物やリボン状になったものも市販されています。
伝統的な手法や形式にこだわらずに、つまみ細工を日常生活の中で気軽に楽しみたいですね。
プロの職人さんの用いる伝統的な手法がありますが、ハンドメイドとして楽しむにはどれが正しい作り方なのか迷ってしまいます。
形式にこだわらずに自分に一番合った作り方をマスターされるのがいいと思います。
ここでは、少ない分量で接着力の強い工作用ボンドを用いて、手の汚れもほとんどない作り方をご紹介していきます。
花びら1枚つまむごとに上手になっていきます。
一輪のお花が作れるようになったら、イアリング、ペンダント、キーホルダー、ヘアピン、ブローチ、バレッタ、つるし飾りなどなど、活用の幅も広がります。
まずは、最初のひとつから!一緒に作ってみましょう!
その他のつまみ細工をご紹介している記事
▼つまみ細工を使った、お花のブローチの作り方をご紹介しています!
▼ハロウィンなどの季節のイベントと和小物を組み合わせるのもかわいいですよね!
丸つまみの作り方
「丸つまみ」とは花びらの先が丸くなっているつまみ細工です。
基本の丸つまみの作り方は、次の記事をご覧ください。
同じ丸つまみでも工程の最後のつまみ方次第で出来上がるお花の表情が色々と変わります。
*中心の先だけを接着する*
花びらが幅広となり、きれいな5弁花ができます。
バラ科の桜や梅の花は5枚の花弁が多いのでリアルな花が出来上がります。
ボンドをつまようじにつけて布端に点々と薄く載せていくので、少し手で持っていればすぐに乾いて留まります。
指にもほとんどボンドが付きませんので、作業がとても早く進みます。
さらに花弁の外側の中心にボンドをつけて内側へ向けてひだをとると桜の花になります。
*布端全部を1つに接着する*
6~8枚の花弁の花が出来上がります。
*布端どうしを突き合せて接着する*
後ろ中心で布端を突き合せて接着します。
ペタンとした花びらが出来上がります。花弁は6~7枚が落ち着きます。
花弁の内側にボンドをつけて、外端をつまんでとがらせると6枚花弁の水仙・5~6枚桔梗のようなお花を作ることができます。
剣つまみの作り方
剣先つまみは、四角のちりめんを3回たたんで、とがった花びらとなる作り方です。1つのお花にするのに7~8枚の花弁が必要です。
基本の作り方は、こちらの記事に掲載しています。
つまんだ花びらの下端を切り取る角度次第で、花びらの傾きが変えられるので、同じ剣つまみでもその表情が違ってきます。
花芯のつけ方
さあ、いよいよお花が完成しました。
次は花芯として、中心に飾る素材をつけます。一気に華やかさが加わってなお一層作業が楽しくなるステップです。
*ペップを飾る*
アートフラワー資材のパール調ペップを使います。
花の中心にボンドを少し多めにつけてペップを固定します。 桜や梅のおしべのように長く使って留めていけばリアルに仕上がります。
短く切って中心に密集させて洋風にアレンジできます。
*メタルパーツ(座金)を飾る*
アクセサリー用のメタルパーツも花芯を豪華に彩ることのできる資材となります。
パールとの重ね付けが効果的です。
(参考:紗や工房 商品番号:ap003601)
座金・花座・菊座パーツ ゴールド/鉄メッキ/約6mm)
(参考:紗や工房 商品番号:ap003586)
花座・座金パーツKC金/鉄メッキ/約6mm
(参考:紗や工房 商品番号:ap001022)
【メタルパーツ約50個】さくら/桜/約5mm×5mm/ゴールド
(参考:紗や工房 商品番号:ap000833)
【メタルパーツ】雪の結晶/ゴールド/直径約4/厚さ約0.2mm
*樹脂パールを飾る*
ネイルアートに使う樹脂パールの全球穴なし・半球パールなどがあります。 パール調・金銀と色々な色があるので花の色に合わせて変えてみるのもいいですね。
(参考:紗や工房 商品番号:ap002344)
【穴なしパール/ラウンド・全球(約4mm)約50個前後】
(参考:紗や工房 商品番号:ap002813)
【半球樹脂パール(約4mm)約50個前後】ナチュラルホワイト
*そのほかの素材*
(参考:紗や工房 商品番号:ap002531)
ミニタッセル(約1.8cm)パステルピンク/カン付き
刺繍糸でつくったミニタッセル、小ぶりのアクリル花ビーズなどなど、和手芸にこだわらずいろいろな素材をご自分のアイディアで試してみましょう。
二重つまみのやり方
さて、お花づくりに慣れてきたら次は二重つまみに挑戦してみましょう。
*二重丸つまみ*
手順は基本操作と同じです。
2枚の花弁を同時につまむのが主流ですが、ここではやはり最小限のボンドで手を汚さず、綺麗につまめる方法をご紹介します。
1.
つまようじにボンドをつけて、写真のように点々とボンドを載せていきます。
3cm四方のちりめんを半分に折りボンドをつけた赤の生地に同じよう作った白を載せて0.8mmほどずらしてボンドで留めます。
2.
赤いちりめんに合わせ、はみ出している白いちりめんを切り落とし、角をきれいに直角に切りそろえます。
3.
厚みがあるので、花びらの中心側にだけボンドをつけてしっかりと固定するまで指で押さえておきましょう。クリップや洗濯ばさみで先端だけ押さえておいてもよいです。
幅広の花弁に仕上げます。あとの作業は一重の時と同じです。
*二重剣つまみ*
1.
3cm角の赤と白のちりめんをそれぞれ2回たたみます。赤い方にボンドをつけて白い方を少しずらして貼り付けます。この時頂点の中心線をきっちり合わせてください。
2.
白い生地のはみ出した部分を切り落とし、白い部分が内側に来るようにして半分に折り、ボンドをつけて花びらを作ります。
折り曲げる時は中心線がずれないようにピンセットでしっかり挟んで折り曲げて花びらを作ります。
布端は8枚も重なっているので厚みがあります。
【POINT!】
真ん中にボンドをつけてしっかり固まるまで指で押さえるか、洗濯ばさみで押さえておきます。
花びらを重ねて八重咲に 土台のお花を作ってから、その上にひと回り小さい花弁を貼り付けていきます。
二重つまみとはまた違った趣があります。写真のお花は外輪が3cm角、ない輪が2.5cm角で作りました。
貼り付け方は単純に土台の花のくぼみごとにはめ込む方法、両方の花にまたがるように載せていく方法などがあります。
花びらを載せる台 作った花びらをのせる台を葺き(ふき)台といいます。
屋根の瓦を葺く(ふく)ように隙間なく花びらを載せていくことからきているのでしょうか。
伝統工芸では白い台紙のままであることが多いそうですが、アクセサリー用のパーツとしてふだんに使うには、丈夫で見た目もきれいにこだわりたいものです。
台紙はお花の数だけ必要なので、エクセルやワードで台紙を作り、厚紙にプリントアウトしておけば大量生産も可能です。
中心点をプリントしておくとさらに効率が良いですね。
紙の厚さでは使用済みはがきやポイントカード・ストッキングの中紙などがちょうどよいようですが、これもみなさんのお好みの厚さで構いません。
*基本の台紙*
厚紙をくるむ布は共布が基本ですが、同系色のものでもかまいません。
ちりめんは一般の生地よりも割高なので裏方に使うのは少しもったいないと思うこともありますね。
便利なのは百円ショップのちりめん風貼れる布です。剥離紙には方眼が印刷されているので重宝します。
台紙より5~7mmほど大きめに切り取り、剥離紙のまま放射状に切り込みを入れて、中心を合わせてから、剥離紙をはがしながらきれいにくるむように貼り付けていきます。
*細工・連結用にループや9ピンをつける*
小さいパーツをたくさん作って連結できるようにすれば、同じつまみ細工でもアレンジ次第で何通りにも利用できるので、おすすめのひと手間です。
リリアンやワイヤー入りの細紐・9ピンでループをつけておくと便利です。
下記の材料を揃えておくといいですね。
カニカン約100個 金Gold 12mm×7mm
(参考:紗や工房 商品番号:ap000060)
【丸カン(約4mm)】ゴールド/線径0.5mm/丸環
(参考:紗や工房 商品番号:ap000994)
(参考:紗や工房 商品番号:ap000354)
9ピン【長さ約30mm/カン内径約2mm/線径約0.7mm/金】
*くるみボタン*
葺き台のかわりに、くるみボタンを土台にすることもできます。
これだけでも、立派なアクセサリーです。
つまみ細工を使った雑貨やアクセサリーの作品例
*作品例:キーホルダー*
ちりめん布でくるんだキーホルダー用のプレートにつまみ細工をグルーガンで留めてみました。
つまみ細工を使った作品例は次の記事でもごしょうかいしていますのでご参考にしてください。
作り始めの頃は、花弁はねじれ、大きさも不揃い。
葺き台に貼り付けるも、ポジションが決まらずにまがって固定してしまい悪戦苦闘することもあります。まずは作り方をマスターしてください。
色合わせや形はその後です。 一輪、また一輪と作っていくごとに、自分でもほれぼれするような可憐な花が作れるようになります。
既製品にはない愛着が生まれます。
上達してくると、ちりめんの裁断はていねいに、正確に。花びらの裏断面もきれいにハサミで始末。
葺き台の包み方もていねいに。と、欲が出てきます。花びらの配置、花芯の素材選びにも試行錯誤。
そうしていくとどんどん広がるつまみ細工の奥深さに作業がやめられなくなることでしょう。 見えないところも丁寧に。
極めるほどさらにその先がある。それこそ日本の古き良き伝統ではないでしょうか。
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